ほんだらけウォーク

本好きの、本好きのための、ほんだらけスポットをご紹介します。

ブックハウスカフェ

「ほんだらけウォーク」記念すべき第一回特集は、日本図書設計家協会の事務局が入っている北沢ビルの1階にある「ブックハウスカフェ」さんをご紹介いたします。子どもの本だけを扱う本屋さんです。カフェも併設されていて、気になる本をめくりながら、ゆっくり過ごすことができます。休日はお子さん連れのお母さんも多く訪れています。

 

この素敵なお店を立ち上げた、オーナーの今本義子さんにお話を伺いました。



子どもの本の専門でカフェをするのは珍しいと思いますが、はじめたきっかけはなんですか?

 絵本に囲まれた温かな空間で、皆さまにゆっくりくつろいで欲しいという思いでカフェを併設しました。本とカフェは相性がいいので、ブックカフェは沢山ありますが、絵本カフェは、珍しいかもしれませんね。

 ここは、もともと「ブックハウス神保町」という子どもの本の専門店でした。11年も続いた素晴らしいお店が2017年に閉店することになり、絵本ファンはみな悲しみました。私はブックハウス神保町のファンのひとりだったのですが、何とかこのお店を続けられないかと思い立ち、開店当時からのスタッフの茅野と共に、存続の道を探りに探りました。必死で働けば、何とか経営できるのではないか、というような単純な思いでしたが、新刊の本は利幅が小さいので、本の商売だけでは家賃などのランニングコストを出すのは難しいと思い、昼間はカフェ、平日の夜は11時まで営業してバーとしてもご利用頂けるようにしました。

 

たくさん本がありますが、現在何冊くらい置いてありますか?

約 12,000冊、在庫しています。

 

絵本をチョイスする時、どんなことを気にかけていますか?

 幅広く沢山の種類を置くようにしています。ロングセラーの定番はもちろんですが、親が子どもに勧めたくなるような教育的な絵本だけでなく、子どもが思わず手にとりたくなるような本、子供だけでなく大人も楽しめるような絵本、さまざまな絵本をご紹介できるように心がけています。

 

昼と夜でお店の雰囲気も一変するかと思います。お客さんの層はどんな方ですか?

 いろいろです。週末は親子連れで賑わいますが、平日のお客様は、ほとんど大人のお客様です。もちろん絵本がお好きな方が沢山ご来店くださいますが、普段は全く絵本と接点がないとおっしゃるお近くの会社の方、また「このお店を応援したいから」という理由でいらして下さる応援団のようなお客様に支えられています。絵本作家さん、絵本ファン、また神保町という場所がら、出版関係、新聞社の方が多いです。

 

その方はブックハウスカフェをどんな風に利用されていますか?

 店舗が大きく、カフェの座席数も多いので、満席になることが殆どないので、待ち合わせや打ち合わせに便利なようです。

また人数に合わせて大中小の個室もお使いいただけるので、読書会、会社の懇親会、同窓会、異業種交流会、出版記念バーティーも増えてきました。

お茶を飲んだり、ランチしたり、夜はお酒を飲みにいらしたり。絵本に囲まれた空間を自由に楽しんでいただきたいです。

 

カフェの空間のこだわり、工夫しているところを教えてください

 天井が高く、大きな面積の割に本棚が少なく、その本棚も子どもに圧迫感を感じさせないよう低く作ってあるため、広々と開放的な店だと思います。大きな個室「ガリバー」と小さな個室「こまどり」には、いつも絵本の原画が飾ってあります。絵本や原画に囲まれたちょっと贅沢な都心の空間でお茶やお酒を楽しんでいただきたいと思います。

 

店内BGMはどんなものをかけますか?

(なかったら、その理由を教えてください)

  かけたいCDもあるのですが、ジャスラックの請求がくると困るので、USENと契約しています。朝のスタッフの気まぐれで、日替わりでいろいろなチャンネルです。

 

カフェメニューがたくさんあって、どれもいただいてみたいものばかりです。コース料理もあると伺いましたが、どんなお料理なんでしょうか?また、お料理や飲み物でこだわっているところは?

  絵本屋さんで宴会、というのが、ユニークで印象に残るようです。

お部屋代、お食事、お飲み物込みで、おひとり3000円~4000円のご予約が多いです。

 お食事は、サンドイッチ、カナッペ、サラダなどは私たちが手作りしますが、近所の中華料理屋さんから熱々の餃子や唐揚げ、また、ご予算によっては、タイ料理(メナムのほとり)の出前、名店のカレーなどもご用意していますので、ブックハウスカフェで神保町の名店の味を同時に気楽に楽しむこともできます。とても好評ですよ。

 

天井の絵について教えてください。

 青空に太陽と月が描かれたこの天井の絵、明るくて、見ているだけで楽しくなるような絵ですよね。これは、ブックハウス神保町の開店時に内装を担当した乃村工藝社さんのデザインだと聞いています。私たちもこの天井画が大好きです。

 

これからどんなお店にしていきたいですか?

 なんでもインターネットで便利に買える時代ですが、絵本は子どもたちが手に取って選べる専門店が必要だと思います。また、この神保町という街には、書店経営が難しいといわれる今日も150軒を優に超える書店があります。世界的にも珍しいこの本の街に、子どもが気軽に立ち寄れる絵本の専門店があるということにも大きな意味があると思っています。「子どもの本の専門店、ブックハウスカフェを一日でも長く営業していくこと」これがまず重要なことです。そして、人が集まるお店にするために私たちは、毎日のようにイベントをしています。面白いことを発信して、皆様がいらしてくださって、ここから何かが始まる、そんなお店にしたいです。インターネットでは得られない満足を提供する五感で感じる体験型のお店にしたいですね。

お店を始める時は「こどもが絵本に出会う場所」というコンセプトでしたが、お客様の殆どが大人でしたので、「人が絵本に出会う場所」というコンセプトに変わり、いまは、「人が人に出会う場所」でもいいような気がしています。絵本に囲まれた空間で、同じ関心を持った人が集まって、すてきな出会いがあり、ご縁が広がっていくような、そんな店がいいですね。2階のギャラリーにはグランドピアノが入り、サロンコンサートもできるようになりました。読み聞かせあり、トークイベントあり、音楽あり、ダンスあり。ライブ感にこだわる「劇場のような書店」を思い描いています。

Writer:カツDONG

今本義子さん

ブックハウスカフェ代表取締役


ブックハウスカフェ

〒101-0051
東京都千代田区神田神保町2-5 北沢ビル1F
03-6261-6177
平日 11:00~23:00
土日祝 11:00~19:00
「神保町」駅A1出口徒歩1分!

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