ナウリコット村の子どもたちと絵を描く旅-2

参加者のふりかえり

いつまでも眺めていたかった

岩本潤子

軽い気持ちで参加した今回の旅。予想以上に色々な経験をさせてもらった。まずは山! あんまり大きくてはじめ現実のものと思えなかったけれど、朝に夕に眺めてはその度にホオ〜、と感動しきり。夜中も屋上に出て眺めたのは星。流れ星に歓声をあげたり、見慣れたオリオン座もすっごい量の星々に埋もれる位、なんとも賑やかな夜空。観光した中でいちばん気に入ったのはカグベニ。町のつきあたり、ムスタン王国を望む色のない景色、いつまでも眺めていたかった。そしてこの旅の主目的、子供達との交流。コマ回しに一生懸命な2才児から、先生になるため何でも吸収しようとひたむきなはたち前後の子達まで、キラキラした目がやはり印象に残る。突然外から入っていってほんの一時何かを教えることにちょっととまどってる私をヨソに、とりあえずみんな楽しそうだもんなー。
 それから不思議に仲の良かったメンバーの皆様。ほぼ初対面で10日間ベッタリなのにあの居心地の良さは奇跡です。みんなをゆる〜くまとめてくれたアルジュンさんと金さんに感謝します♪

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自分を思い知らされ

内田千佳子

いつも、楽しくて楽な道を選んできました。海が好きで山が好きで、自然が大好きで、季節になると遊ぶ為だけにその場所へ行ってました。一体それが本物の自然なのか、作られた自然なのか...そう考える事自体がもしかして不自然かな、と…?
 私は、ボランティアとは真逆の位置に平気でいたから、何か役に立てればいいなあ?と、冒険心と、異国への興味も相まって軽い気持ちで参加しました。それが、いきなり自分の無力と無知を思い知らされ、リアルに聳える山と星空の下、逆に私の方がキャパを超える贈り物を、抱えきれない程の大きくて多くて重いものを、人との出会いを、与えられました。何かをして恩返しをしたいのに手段がわからないまま、帰国してしまった中途半端な私の心は、“フッ”とした時、ダウラギリが望める麓の村まで遠くに飛んで行ってしまいます。
 呼び戻すのに1ヶ月経った今でも苦労してます。

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韓国から参加して

趙 憲正 チョ フォンジョン

友人の金 斗鉉が昨年、ネパールへ絵の指導に行ったことは知っていたが、まことに偶然に三ヶ月の休暇と時期が重なりワイフと共に参加することができた。今まで、日本には三回ほど来たが主に会議のためであって日本人と親密に過ごす機会はなかった。しかし、今回は旅行を通じて日本の友人との交わりを持つことができた。今まで私は日本に対して反感をもっていました。それは、韓国に対する日本の支配の歴史があることと、今でも東アジアの平和に対して日本に憂いをもっているなど、南北分断に対する責任が日本にもあると考えていたからである。
 まず、私がこの旅行で日本人に学んだことを是非話したい。ひとつは参加者の多くが私よりも高齢な方にもかかわらずネパールの幼い小学生のために一緒に絵を描き、歌や踊りを準備する姿に大変な感動を受けた。私もアメリカにいる頃、メキシコの原住民のためのプロジェクトをおこなった経験はあるが、今回の創造的で積極的な奉仕は心地よく感じた。もうひとつはクリスチャンとノンクリスチャンとが自由に交わる姿にも感銘を受けた。私はこの経験を通じて日本人に対する偏見から抜け出すことができた気がする。
 心残りは、ワイフが高山病のため、最後まで行動を共にできず下山したこと。しかし、お陰さまで田舎の病院(施設があまりにも貧弱)で一晩を過ごすめずらしい経験ができた。
 そのうえ、あこがれていたトレッキングを一ヶ月以上できたことは嬉しい限りだ。このような機会がなければ夢で終わったかもしれない。準備もなく始めたトレッキングではあったが、深くて高い雪山を歩きながら今まで頭でしか理解しなかった神の存在を胸の奥から感じることができた。このことは宗教者として貴重な体験をすることができた。
 参加者やネパールで出会ったみなさんに感謝を申し上げると共に、神の平和が皆さんと共にあることをお祈りいたします。

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「縁(えん)」

田中 芳

私が小学生の時、校長先生の登山家の息子さんがエベレストで遭難し、先生はその魂を弔うためにネパールに行かれた。当時一人ほそぼそとガリ版刷りの学級新聞を発行していた私は、記者きどりで、校長室にインタビューに行った。その折り、ネパールの家や家畜や服装や、当時は皆、夜道で用を足すなどのお話を聞いたことが印象に残っている。先生は「息子が命を懸けてまで行きたかった意味が分かりました。」とおっしゃり、うっすら涙を浮かべていた。その時からネパールは私にとって、神聖な国、行ってみたい憧れの地になった。時が流れて、昨今は仕事に追われ、体力にも自信がなくなり諦めかけていた。そんな私に京尾さんが声を掛けて下さったことに感謝している。
 実際はネパールといっても様々な表情があった。喧噪と活気にあふれ、歴史的建造物と現実の生活とがごちゃまぜのカトマンズ。温暖で南国の花が咲き乱れるポカラ。チベットに近い殺伐とした砂漠地帯に作られた基地の町ジョムソン。斜面を開墾して造られた段々畑の高地の農村であるナウリコット村。ああ、ナウリコット村! そこは校長先生から40年前聞いていたイメージと重なった。奇しくも、かつてその話を聞いた時の私の歳の小学生相手に、いろいろ勉強させられた日々だった。

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「本当の豊かさ」とは

菅野真知子

ネパールが古い歴史と豊かな文化を持つ多民族社会だということをあらためて感じました。 実は、「開発教育」や「援助」に疑問を持っていましたが、キムさんはじめ参加者のみなさんが、ナウリコット村に暮らす人々の目線で、先進国の押しつけがましさがないどころか、そこから学ぶ姿勢で、考え、準備しておられる姿にも感動いたしました。ネパールで出会った人々−日本人を含めて−が自然のリズムで生活しておられることがうらやましくもありました。おいしいものもたくさんありました。
 お世話くださったアルジュンさんの「ネパールは物質的に貧しくてもかまわない。」という言葉にネパールの希望を見ました。日本商品、看板が氾濫しているのを見て、かくも日本は世界中にものを売って豊かになったのだ、でも本当の豊かさとは?と複雑な気持ちでした。

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「ポカラの師範学校訪問の時」

菊仲明代

今回のスケジュールの中に師範学校で生徒達に茶道を紹介する事が入っていました。充分な時間が取れず、説明不足でしたが、盆点前を、二部式着物・ぞうり姿で行い、その様子は大変興味を引いたようでした。その後、抹茶・干菓子 (和三盆を型押ししたもの)・銘々の碗 (100きんで五箇入り使い捨てボール)・茶筅数本等を用意して行きました。自分達で抹茶を点てて飲む体験をしてもらいました。むろん初めてのことで。とても飲めず洗面所にかけ込む子、がまんして飲む子、おいしいと云う子、それぞれでしたが…
 日本の伝統文化であり、礼儀、作法の基本であるという様な説明ができればさらに良かったのにと反省しきりです。
 とりあえず人数揃えの一員としての参加でしたが、今度の旅行での人との出逢いが素晴らしく、今後の人生の巾が広ろがったと感謝しております。ありがとうございました。

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「山を仰ぎ観た 描いた そして歩いた」

井越基生

“山仕度の変な爺さんが一人いるけどあの人は…?”出発前の私の心配が杞憂に終わる仲間の皆さまの親切と度量に感謝申し上げます、有難うございました。ジャンボ機・小型機・ヘリからヒマラヤの峰々を望みました。ダウラギリ峰は4日間眺めていました。絵も描きました。山靴を履きアンナプルナ山群の山道を歩きました。夢のような出来事でした。山仲間が作ってくれた黄色のバンダナは名前が増えています、スシャミタ・サビーナ・カルパナ・サパナ・ゴーチャン…子供たちと向いあって山を描き、山に向かってハーモニカを吹きました、今写真と並べて見ていると胸が熱くなってきます。想像していたより数倍素敵なサンセット・ヴューとタサン・ヴィレッジ。用意した衣類不要の暖かさ。カトマンズの埃とクラクション。トイレ。ビスターアーリのお国柄。旋回急降下の降圧による変調―ご心配をかけました―などなど。“色々あったけど、あれもこれも全部含めると最高の旅だった”皆さまへ、妻へ、山の友へ、そして自分への報告です。

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後世に残してほしいもの

遠藤良次

初めてのネパール。カトマンズに来て驚きました。インフラの整備、都市機能の整備、国の政治、民族の統整、など問題が山積のようです。早急に手を打たなければ残念ながらこのすばらしい自然の観光と経済発展は望みようがありません。ナウリコット村は風景がすばらしく昔ながらの自然の生活は別世界です。そこに住む子供たちの純粋さ素直さを見る時、私達の生活が、便利さ、物の豊かさに恵まれた環境が、何 かを欠いているように思います。
 アルジュンさん・紘子夫人、そして戒能恵子さんと金 斗鉉さん達の大変な努力でこの交流が実現しているのがよくわかりました。私達も子供たちと一緒に学ぶ姿勢の中にお互いをますます理解して深めていけるのではないかと思いました。この素晴らしい自然をいつまでも保ち、自然破壊や便利さだけの開発を絶対しないで、そのままの姿を後世に残してほしいものです。

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「つづく」がある旅

久保明美

村人と子どもが待っていてくれる。翌日村の学校で子ども達に再会。手を振り合い覚えられていたことが嬉しかった。前回家庭訪問したビニタコイラさんは留守と知らされがっかりしたが、後で駆けつけてくれ手を取り合って喜んだ。一年たつと成長しティーンエイジャーらしくおしゃれもしていた。また家に来てほしいと招かれ、翌日訪問すると祖母も出てきて言葉はわからないが大はしゃぎで喜ばれる。耳の不自由な女性も来られ手を動かし大声で嬉しそうにお互い笑い手を取り合った。なんと心暖まる出会いでしょう。両方の学校訪問での絵を描く会は前年に比べずいぶん積極的な内容であった。子ども達は話をよく聞き熱中し取り組んでいた。先生方もグループに入り指導もあった。短い時間でも意欲的であった。一年一回の訪問、交わりが少しづつステップアップしていることが見られた。
*コバンの学校からの帰りに子ども達の授業参観した母親(イラゴチャン41才)と子ども(ガツヌゴチャン12才)とで英語を交えロッジの帰り道おしゃべりをしながら山を登った。途中私の手をひっぱってもらったり、枝で杖を作ってもらい助けられ賑やかに帰る。ロッジの前で別れる時「バイバイ」「さよなら」「グッ・バイ」「ナマステ」知っている限りの別れの挨拶と握手し、母親は最後に私としっかりハグをして別れた。また会えますように。
 今回参加されたみなさんとのすばらしい出会いに感謝、若い青年細井さん、韓国からの趙ご夫妻、ロッジで折り紙遊びをしたアメリカ人ご夫妻、楽しい旅のドラマはきっと「つづく」があるでしょう。また期待しています。ありがとう。

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和やかな楽しい最高の旅

進藤省一郎

ネパール、カトマンズ、ヒマラヤ、ナウリコット村。混沌とした流れの中に静寂があった。雄大な美の象徴ヒマラヤが鎮座している。口では云い表わせない感動がある。
 ポカラから小型ヘリに乗りロッジに向かう。子供の頃に樺太や北海道で見かけた大鷲の勇壮な雰囲気で、鳥の気持って、こんなんかと思った。前面に迫りくるアンナプルナ山とダウラギリ山の間の山々は迫力満点で興奮と緊張しながら急いで描いてみた。
 早朝礼拝で始まる日は心が和む。上の小学校、下の小中学校も良かった。昨年おどおどし隠しながら描く子が居たのに、今年は積極的に堂々と描く子が多かったのには驚いた。この一年間に何か大きな変化があったと思った。アルジュンさんの新しい学校、昨年聞いたばかりなのに半分建ち上がっていたのには本当に驚かされた。このスピードは、どこから来るのか不思議だ。
 カトマンズ聖書会との交流会でサンガイジウナコラギの岩村 昇医師と接触のあったJOCSの楢戸健次郎医師やサポーターの細井 護さんに会ってネパールを重く近くに感じた。金 斗鉉先生の優しさが皆に伝わり和やかな楽しい最高の旅でした。

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ナウリコット村に来て良かった

久保陸郎

カトマンズよりチャーターした小型ヘリコプターでカリガンダキ川にそって谷間を上流へ向かって1時間、遠くにヒマラヤ連峰の山なみが見られ、眼下では山の頂上まで耕された段々畑が続く山々を越えてナウリコット村アルジュンさんのロッジへ快適な空の旅が出来た。ヘリポートではロジーナさんとサントス君の出迎えを受け一年ぶりの再会を果たした。 
 全員揃った頃、アルジュンさんが村を案内してくれた。石を並べた生活道路を山の方へ歩き石を積み重ねた小学校、住居約40軒の集落を抜けると水車小屋、中で蕎麦を粉にしていた老人。更に山に向かって登って行くと水量豊かな水源池?がある、その先に富士山より高い山の見える断崖に出た。目の前に手の届きそうな万年雪の8千米のダウラギリ山、氷河も見え景色は抜群に良かった。空気もきれいでナウリコット村に来て良かった。「子供たちとお絵描きの旅」の仲間に加えていただき、ありがとうございました。

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ソージン君

中尾順子

ヒマラヤの雪の山々、純朴な村人や子供たちの笑顔が見たく、又ポカラの師範学校でのピアニカ指導という話にも心惹かれ出かけたが、今回もいろんな分野の方々との交流があり貴重な旅だった。一年の間に、自然も村人も少しづつ変化しており、一度訪れてこういう所だと思い込んではいけないと反省した旅でもあった。
温暖化:昨年まっ白だった7〜8,000m級の山々の岩肌が見えまだら雪になっていた事。
村の子供達:「スイーツ!」「チョコレート!」と手をだす子供たちが出て来た事。「訳もなく物を与えないように」と私達は守って来たのに…残念。
いい事もいっぱい:昨年残して来たスケッチブックに絵が描かれていて継続されている様子が見えた事。二度目ともなると師弟ともに慣れて来て制作にも息があってさらに成果があったと思う。
 昨年アルジュンさんに全寮制の学校用地だと見せられたダウラギリを見上げるポカポカと陽のさすその地には、2階位まで立派に建てられていた。故郷を愛する彼の夢はどんどんふくらんで形となっている。昨年タイコを叩いてくれたソージン君は私より頭一つ分大きくなっていて、無口だが目が合ったとたん笑顔でこたえてくれた。元気で良かった。マジックアートで「サーノー」「トゥーロー」と元気に参加してくれた“鼻たれ君”またあいたいねぇ。

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無題

小松原 芳

2回目の海外旅行で2回目のネパール。今年もまたお会いできた方々、そして初めてお目にかかった方々。みんなで一緒に書き、描き、歌い、おどり、楽しみ、なやみ、夢中になり、感激した10日間でした。ナウリコットの2日目と3日目には、乾期だというのに雷雨があり、ダウラギリ・ニルギリに雪が降ったのにはびっくりしました。また、今年は会計・記録・礼拝を担当しましたが、どれも十分にはお役に立てなかったのではと思っています。
 参加した方々が、みなどこかでつながっていることを実感した10日間でもありました。それは具体的に、キムさんだったり、教会だったり、グループだったりしました。生活を通して考えていることや疑問に思っていること、プログラムの展開のしかたなどをめぐってのおしゃべりの中から、それぞれの人柄やもののとらえ方がわかってきて、より親しくなれました。自分では好奇心が強いほうだと思い、人からも言われて来ましたが、わたしなどくらべものにならないくらい、みなさん積極的な方々ばかりで、仲間にいれていただいた気がしてうれしくなりました。絵や歌、楽器のベテランもたくさんいて、楽しませてもいただきました。
 ナウリコットとコバンの学校のこどもたちは、素朴で、目が輝いていました。アルジュンさんがおっしゃるように、暗記だけでなく想像力を育てる教育もされてこどもたちが成長し、自分たちの村のことを考えるおとなになってほしいと、私も思いました。
 キムさん、戒能恵子さん、アルジュンさん、紘子さん、サントスさん、ロジーナさん、ありがとうございました。

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ただいま ナウリコット

内田迪子

1年ぶりにまた、カトマンズの喧騒に身を置く事となった。人と、車と、土埃、東京の雑踏とは違う無秩序さ。何か有機物のすごい蠢きとエネルギーを感じさせる物がある。その町は嫌いでは無いが、窒息させられそうになりながら、ヘリコプターでナウリコット村に降り立つと、フーと大きく息をして「ただいま」と言いたくなる。ヒマラヤのダウラギリ、ニルギリの谷間にたたずむ小さな村。
 今回は一週間遅い来訪の為か、問題になっている温暖化の影響をうけてか、村の段々畑に緑が溢れ、ヒマラヤの山に雪は少なく、桜まで咲いていた。
 私はこの村に迎え入れて貰えて感謝の念で一杯なのだが、村の人たち、子供たちはどう受け止めているのだろうか? 村の年一度のお祭り行事の一環なのだろうか?(それはそれで良いようにも思う)
 絵心の無い私は、空想の中だけで絵をかき、子供たちは自らの筆で絵をかく。
 2回目の試みとなった企画の為か、見本を模写する子供たちも自分の表現になっているように思えた。絵にふれる事が、画用紙に描く事だけでなく様々な素材を使って(石、松かさ、手作りアニメーション、瞬時に変わるトリックアート)楽しんだ。子供たちが喜んでくれると私は楽しい。私が喜んでいると子供たちも楽しい。そんな空間のキャッチボールが楽しい、嬉しい。私にとって得難い時であった。今回の企画に息子のお嫁さんが参加してくれた。これこそ私にとって最も得難い物かもしれない。

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村の先生たちとの交流

石橋えり子

ナウリコット村に着いた日に、見たことのある男性が満面の笑みを浮かべて握手を求めてきた。学校の近くで子ども相手にスケッチをしていたときのこと。コバンの教頭先生だった。しばらくすると上の学校にもいた若い先生が、笑いながら子どもの上からのぞき込んだ。あ、先生たち、ちゃんと覚えてくれてる ! 嬉しいねえ。
 言葉は相変わらず通じないけど、みんな今回は去年に比べたらすごくコミュニケーションができてた感じです。参加者みんなコミュニケーションのベテランですね。先生たちが子どもと一緒に参加して、作ったり、見たりして、楽しんでいた姿は実に楽しそうでした。
 ちなみに「チェンジ」のグループで先生たちに作らせたら、やっぱり子どもの方が理解力も数段上手でした。これに敗けずに先生たちがんばれ!
 今回は上手に歌が歌えるようになったけど、次回のチャレンジは「みんなで踊る」ことですね。子どもたちが沢山踊ってくれたけど、ジョムソンの空港で、ポカラのホテルで、ネパールの人がいかに踊りと歌が好きかを見知った今回でした。

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みんなに感謝

濱坂公男

「ナウリコットの子どもたちと絵を描く旅」の二回目が実現した。準備のため現地で、日本で、知らないところで手を尽くしてくれた人たち、再会し、また一緒に旅が出来る人たち、残念ながら今回は見送った人たち、新しく加わってくれた人たち、旅行中、いろいろお世話してくれた人たち、村の人たち、学校で一生懸命描いてくれた子どもたち、歌って踊ってくれた子どもたち、笑顔の子どもたち、先生たち、先生になるため頑張る彼女たち、みんなに感謝。
 真っ青な空、透明な空気、降り注ぐ日ざし、大いなるヒマラヤ、夜のロッジから見たまたたく星々、朝焼けのダウラギリ、ニルギリ、頂きのまぶしく光る雪、銀色のカリガンダキ川、ウシ、ウマ、ヤギ、ヒツジ、イヌ、ニワトリ、やっぱり大きな松ぼっくり、テーブルのシャクナゲ、石畳、家々の白い壁、ナマステ、すべてに感謝。
 みんなを引き合わせ、すべてをそろえて、再びここまで連れて来てくれた何かに感謝。

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ヒマラヤの山々の懐で

岡野祐三

ネパールは2度目だ。27年前に訪れたとき、初めてなのに妙になつかしい感じがした。大いなる自然と人にふれて、何も持たないこの国が好きになり、この国のために何か出来ることはないか…と、どこかでずっと思い続けてきた。
 そして今回、山々は再び圧倒的な存在感で迎えてくれた。さらに見回すと周りには一心に絵を描いている、あるいは山に歌いかける人たちがいた。つまり好きなことをしている人たちだ。表現することを通して内と外とに向き合い、エネルギーの交歓をしているように思えた。自分は本当は何が好きなのか? そんな思いへのスイッチが入った感じがして、普段なら何気ない行為のなかにも自問自答し、ゆらゆらしながらネパールを観ていた。子供たちとのプログラムの為に夜中に目覚め、金さんのお絵かき教室で絵を描き、ヒョウに打たれながら外を歩いてみた。ジープの屋根に乗ったりもした。その折々にたくさんの方々にヒントをもらった気がする。振りかえれば、今更ながら自分探しをするような、内観的な旅となった。

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“Nature is Great Teacher”

京尾ひろみ

昨年につづく2回目の訪問となりました。積み重ねの意義と重要性を感じています。アルジュンさんをはじめ、現地のスタッフもよく覚えていてくれ、安心と親しみがわいてきました。そんな余裕もあってか、授業プログラムに無理が生じても、リチェンジして失敗をおそれず、とにかくトライしてみようと準備しました。現地でお目にかかった巨大なマツボックリ、それを画材に使おうとかんがえたのも、昨年の体験があったからでしょう。
 今年は、新たにポカラの女子師範学校との交流が組み込まれました。デザイン学校の講師でもあるわたしにとって、同年代の学生さんとの交流は貴重な体験で、日本の学生にも良いみやげ話しとなりました。次回には、若い世代の人にももっと参加していただければと願っています。
 世界の屋根を背景にしたネパールでの出会いは、まさに“自然が大先生”の世界で、「みんなで生きるために」、みんなが頑張っている、すばらしい人たちの国でした。

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アルジュン・シン・トラチャン

皆さん、ご苦労さまでした。ありがとうございました。今回は、晴あり、雨あり、雪ありで、変化に富んだ天候で楽しめましたね。
 今年の生徒たちの授業態度がよかったのは、皆さんの熱意が通じたのはもちろんですが、生徒たちは昨年の経験から、この授業がとても楽しいことがわかっていたのでしょう。また今年のクラスも面白かったから、熱心に取り組んだと思います。自分たちの先生も一緒に加わったと言うのも、よかったですね。
 内容面では、松ぼっくりなどの現地で手に入る教材を使っていたのには、とても感心しました。やはり、教師にとっても、生徒にとっても、継続して繰り返し取り組んでいくためには、現場で手に入る材料やレベルで、目を開かせてくれることは、大変有益だと思います。日本から珍しい材料や遊び方で教えてもらうのも、刺激になっていいのですが。真似できないようなものは、現場で続けていくことがむずかしいと思います。
 せっかく遠い日本から来てくれても、短い時間だけで終わるのは、もったいないと思います。アートという広い捉え方で、歌や踊りも加えて、多方面の協力をお願いできたらいいなと思います。
 ポカラの<さくら寮>での授業は、非常に有益だったと思います。若い教師の卵たちは、ネパール全国に散らばっていくのですから、こんなに有効で効率のいい伝播方法はないと思います。ぜひ、次回もつづけていけるようにお願いします。(訳・戒能恵子)

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戒能恵子(BINTI 作業所代表)

ありがとうございました。盛りだくさんのプログラムだったので、帰国後、体調を崩された方がいるのではないでしょうか。
 今回の感想は、上の学校(ナウリコット村)でも、下の学校(コバン村)でも、昨年に比べて、生徒たちがどうしてあんなに熱心に応えてくれたのかと、びっくりでした。日本から準備万端で臨んでくださった皆さんの熱意が通じたのでしょう。こんなに気持ちが伝わるならば、来年も、再来年もと、意気込みを強くしたのではないでしょうか。まだ2回目ですが、継続は力なり、を痛感した2日間でした。
 ネパールの子供たちに、今までの学校教育で閉じ込められてきた、自由な発想を引き出したいと願っています。いろいろなアプローチがあるでしょうが、次回は、日本製絵本の読み聞かせなどをして、空想の世界に遊ぶ楽しさを伝えたいと考えています。そのためには昨年運んでくださった絵本のネパール語翻訳に、力を入れましょう。
 こちらは早々と新緑の季節を迎え、百花繚乱の美しさです。ただ、水なし、電気なし、石油・灯油なし、の日常が続いています。お礼が遅くなりましたが、費用の面で助けてくださってありがとうございました。

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絵が生まれる雰囲気

細井 護

お絵かきプロジェクトに参加しながら、自分が小学生だった頃を思い出す。人口七千人の北海道の田舎の漁師町に、どこからかやって来た劇団が、古い校舎の体育館で人形劇を上演。魂を吸われるように物語の世界へと引き込まれたのを25年経った今でも覚えている。
 今回、ネパールのヒマラヤに近い村、そこの小さな小学校に20人もの外国人の大人が列をなしてやって来た!
 見たこともない絵の描き方で、あっちでもこっちでもどんどん絵が描かれていく。
 小学一年生も鼻をたらしながら夢中になってクレヨンで石コロに色を塗る、仕掛けを施した画用紙は両側をひっぱると一瞬で絵が変わる。プロの絵描きさんの手元からはあっと驚く絵が生まれ続け、ロウソクで描いた透明な下絵は鮮やかな水彩絵の具をはじいて浮かび上がってきた! まるでお絵かきサーカス。教えている人も楽しんで、参加している子ども達も楽しんでいる。歌あり、踊りあり!
 「この国の美術教育は…」なんて考えると良くわからないけれど、何か創造的な雰囲気にあふれたこのサーカス団の襲撃は、たしかにそこにいる人たちを創造的な気分にし、沢山の絵が生まれてしまった。
 「人生のなかで忘れられない一日がたしかにある。」アンナプルナ街道で行われた今回の体験は私にとって確かにそんな日々となり、何かを植えつけてくれた。創造の種が私や子ども達の中でどう成長するのかはわからない、けれど素敵な経験は素敵な実を結ぶと私は信じたい。

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